赤ちゃんの頭がとんがって見えるのはなぜ?

こんにちは。 表参道神宮前院で木曜外来を担当している広川です。

外来では赤ちゃんの「頭の形」についてのご相談をよくいただきますが、その中でも特に多いのが、
「おでこが出ているように見える」
「頭のてっぺんがとんがっているようで心配」
といった声です。

実際に赤ちゃんの頭を横から見ると、額の部分がすっと立ち上がり、その上の頭頂部がふくらんでいて、独特の丸みを帯びた形をしています。
このような頭の輪郭は、実は乳児期特有の頭蓋と脳の成長バランスによって自然に生じるもので、多くの場合まったく問題のない正常な変化です。


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赤ちゃんの脳は生後まもなくから急速に発達し始めます。
特に前頭葉や頭頂葉といった脳の前方から上部にかけての領域は、生後数か月の間に著しく大きくなります。
それに合わせて頭蓋骨も外に向かって広がる必要があるため、頭頂部はドーム状に盛り上がりやすくなります。
一方で、おでこの骨にあたる前頭骨は、骨としては平坦な構造をしており、眉の上から上に向かって比較的まっすぐに立ち上がるような形をとります。また、この時期は顔面の骨格、たとえば頬骨や眉の骨がまだ十分に発達していないため、顔全体が下の方に小さくまとまり、額から頭にかけての丸みがより目立って見えるのです。
さらに、生後3か月から6か月ごろまでは、頭の大きさが最も急激に成長する時期であり、特に頭頂部を中心とした領域が前後左右に大きくなります。
このように、脳の発達に合わせて頭蓋骨が急速に広がっていく中で、赤ちゃん特有の「おでこが高く、てっぺんがふっくら盛り上がったような形」が形成されていくわけです。
これは、構造的にも機能的にも自然なプロセスの中で生じるものであり、この時期の赤ちゃんに特有の見た目といえます。

この頭の形は、一生このまま続くものではありません。
生後6か月を過ぎて首がすわり、寝返りやおすわりが始まると、赤ちゃん自身の姿勢や動きによって頭への重力のかかり方が変化してきます。
それに伴い、頭の形の丸みやボリュームの分布にも変化が出てきます。
そして1歳から3歳頃には、顔面の骨格も少しずつ発達し、頬や上顎、鼻の骨などが前方に成長してくることで、顔全体の輪郭がはっきりとしてきます。この頃になると、相対的に額や頭の丸みは控えめに見えるようになってきます。

このように、赤ちゃんのおでこや頭の形が目立って見えるのは、頭の中で急速に成長する脳と、それを包む頭蓋骨の発達が合わさって生じる、ごく自然な現象です。
ただし、極端な左右差があったり、頭囲の成長が標準的な範囲から外れている場合などは、まれに病的な要因が隠れていることもありますので、気になる点があれば遠慮なくご相談ください。
赤ちゃんの頭の形は、見た目だけではなく、中の脳の発達の反映でもあります。
日々の変化に目を向けながら、成長を見守っていきましょう。

表参道神宮前クリニック  医師 広川 大輔


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