ヘルメット治療を悩まれる親御様から当院によくいただくご質問


Q なぜ、わざわざヘルメット治療をするのですか?
A 歪みレベルによっては、様子見・ホームケアだけでは、治すことが困難なためです。医学的に「一定の歪みがあり、月齢的にも改善が期待できる」と判断された場合には、安全性の高いヘルメットでの矯正治療が最も効果的な選択肢とされています。
Q 実際に治療をされた方々は、皆さん満足されていますか?
A ご家族のご感想はさまざまですが、98.9%* が「やってよかった」と回答されています。特に「早く気づけてよかった」「悩んだけどやってよかった」といった声が多く聞かれます。もちろん、最終的な判断や感じ方はご家庭それぞれですので、ご不安な点は遠慮なくご相談ください。

*2022年4月~2025年6月 卒業時アンケート「治療をやって良かったですか?」設問へ「とても満足」「満足」と回答した割合(回答者数 1,290 名)
Q 治療をしなかった場合、将来にどんな影響があるのでしょうか?
A 病気による頭の歪みを除けば、治療を行わなかったことで発育や発達に直接的な影響が生じるケースは基本的にはないとされています。

ただし、一部の報告では、頭の形のゆがみが歯並びやかみ合わせ、耳の位置の左右差、姿勢などに影響する可能性があるとも指摘されています。また、日常生活においては、ヘアスタイルが決まりづらい、メガネや帽子のフィット感が悪い、といった困りごとが将来的に 起こる可能性もあります。

なお、日本小児神経外科学会の見解では、美容・整容的な側面を除き、治療を行わなかったことによる明確な医学的な不利益のエビデンスは現時点では示されていないとも報告されています。

ヘルメット治療は見た目の改善や将来の生活の質(QOL)を高めるための一つの選択肢と考えていただければと思います。
Q ヘルメット治療は赤ちゃんに負担ではないですか?
A 当院のヘルメット治療は、赤ちゃんの頭が急速に大きくなる時期に、その自然な成長を利用して頭の形を整える治療です。押さえつけて無理に形を変えるのではなく「成長の方向をガイドする」というイメージに近く、頭蓋骨や脳への悪影響はありません。

また、当院のヘルメットは医療用ヘルメットの中でも最も軽く、また蒸れにくく、日常生活にも支障が出ないよう工夫されています。装着中も普通に寝たり、遊んだりする赤ちゃんがほとんどです。
Q どれくらい良くなりますか?
A お子様の頭のかたちや歪みの程度、治療を始めたタイミングなどによって異なりますが、一般的には一定期間装着を継続することで、改善が見られます。
また、当院ではお子様の頭の成長の様子と頭蓋骨の閉じ具合などを総合的に診察し「治療終了」の提案を行いますので、治療後に再度歪んでしまう、元に戻ってしまうといったリバウンドの心配もありません。
Q どれくらいの人たちが治療に進みますか?
A 治療を受けるかどうかは、頭の歪みの程度だけでなく、ご家庭の考え方や価値観によってもさまざまです。参考までに当院に相談に来られた親御様のうち、約半数が治療に進んでいらっしゃいます。
最終的には、ご家族のご希望とお子様の状態をすり合わせながら、ご納得のいく選択をしていただくことがいちばん大切だと考えています。
Q 今からでも間に合いますか?(生後6か月以降)
A 治療開始時期が早いほど改善しやすい傾向にありますが、間に合わないというわけではありません。生後6か月以降で治療開始されるお子様は3割程度いらっしゃいます。生後10か月くらいまでは、個人差はあるものの頭囲の成長が顕著な時期とされており、少しでも早い治療開始が効果的とされています。

生後10か月を過ぎても成長自体は続きますが、頭の骨は徐々に硬くなっていくため、形が変化しにくくなる傾向があります。そのため、いずれ治療をするのであれば、できるだけ早いタイミングで治療を開始することが効果的とされています。
Q 肌が弱くて心配です。大丈夫でしょうか?
A 赤ちゃんの肌はとても繊細なので、初めはあせも(汗疹)が出やすかったり、汗をかきやすかったりすることもあります。そのため、肌の様子を見ながら装着時間を少しずつ延ばしていただくことが大切です。肌のトラブルが原因で治療が続けられなくなるケースはまれです。

ご不安やご不明点がございましたら、遠慮なく医師またはスタッフまでご相談ください。