
こんにちは。
東京日本橋院で金曜日の診療を担当している狩野 元宏です。
5月も前半に入り、暖かい日が増えてきましたね。
気温の変化とともに赤ちゃんの衣服や室温調整に悩まれている方も多いのではないでしょうか。
先日、小児がんの国際学会に参加するため、サウジアラビアの首都リヤドを訪れました。
学会公式ページはこちら:https://siopasia2025.com/
サウジアラビアは中東最大の国であり、メッカとマディーナというイスラム教の二大聖地を抱える国です。
石油資源に恵まれ、医療や教育などの分野でも非常に発展しています。今回は学会のための訪問でしたが、合間に少しだけ外に出てみると、日中の気温はなんと37〜40度。まさに「じりじりするような暑さ」でした。
しかし、日本の夏と違って湿度が非常に低く、日陰に入ると風が涼しく感じられるのが印象的でした。
気温だけを見ると過酷ですが、湿気の有無で体の感じ方はずいぶん違うのだと実感しました。
一方で日本は湿度が高く、夏は日陰でも汗がにじんできます。日本の家が風通しを重視した構造になっているのも、中東の厚い土壁の家と比較すると、気候の違いを反映しているのだとあらためて感じました。

リヤドの住宅街
赤ちゃんの頭の形を整える「ヘルメット治療」は、もともとアメリカをはじめとする海外で普及した治療法です。
日本に導入された当初は、海外製のヘルメットをそのまま使用していましたが、日本特有の気候や生活スタイルとは合わない面も多くありました。
たとえば、日本の高温多湿な気候では通気性や軽さが重要になりますし、日本人の頭の形状にも合った設計が求められます。
そうした背景から、現在では日本国内で開発された国産ヘルメットも増えています。
当院では2024年7月より、日本製の「クルムフィット」という最新モデルを採用しています。
これは、これまでの「アイメット」「クルム」に続く第3世代にあたる製品で、日本の赤ちゃんの骨格や気候を考慮して開発されています。https://japanmedicalcompany.co.jp/helmet/
装着感の改善や、通気性の向上、より軽量で扱いやすい素材の採用など、細やかな改良が施されています。
さて、季節柄よくご質問いただくのが、「夏の暑い時期でもヘルメットを装着して大丈夫でしょうか?」という点です。
たしかに、日本の夏は高温多湿で、大人でも汗をかきやすい環境ですので、赤ちゃんにとっても負担が大きいのではと心配されるのはもっともです。
現在使用しているクルムフィットは、通気性に配慮された設計となっており、適切なケアを行えば夏でも問題なく装着することが可能です。
とはいえ、日本の高温多湿な気候の中で快適に過ごすためには、いくつかの工夫が必要です。
赤ちゃんは大人に比べて体表面積の比率が大きく、体温調節機能もまだ十分に発達していないため、外気温の影響を強く受けます。
そのため、気温の高い日中は冷房の効いた室内で過ごすようにしたり、数時間ごとにヘルメットを外して涼む時間を設けることが大切です。
また、暑い時間帯の外出時には、一時的にヘルメットを外して熱がこもらないようにすることも一つの方法です。
気温や湿度に応じて柔軟に対応することが、赤ちゃんの快適さを保つうえで重要になります。
さらに、赤ちゃんの頭部には汗腺が多く、体に対して頭が大きいため、「頭にだけ汗をかいているように見える」とご相談を受けることもよくあります。
これは正常な生理的現象であり、病気ではありません。
ただし、ヘルメットを長時間装着すると汗が蒸発しにくくなり、一時的に熱がこもって不快に感じることがあります。
そのため、こまめな観察と定期的な取り外し、頭部とヘルメットの清潔保持がとても重要です。
春から夏にかけては気温や湿度が大きく変化する時期で、赤ちゃんにとっても過ごし方に工夫が求められる時期です。
頭の形のことだけでなく、体温調節や汗のケア、日々の育児の中で気になることがありましたら、どうぞお気軽にご相談ください。
医療の視点から、安心して育児ができるお手伝いをしてまいります。
東京日本橋院 医師 狩野 元宏
