赤ちゃんの頭を守るために知っておきたいこと

こんにちは。
表参道神宮前院、脳神経外科の福山龍太郎です。
大学で研究を続けながら、現在も外来で多くの患者さんの診療にあたっています。

赤ちゃんに多い「頭のケガ」
外来でも時々見かけるのが、「赤ちゃんや小さなお子さんの頭のケガ(頭部外傷)」です。
これまでも当院のブログで触れられておりますが、改めてお話ししたいと思います。
乳幼児は、体に比べて頭が大きく、重心も上の方にあります。
そのため、ちょっとした転倒や転落でも頭から落ちやすく、ケガにつながりやすいのです。
実際の研究でも、48か月未満の子どもの目撃された転落事故を調べたところ、頭部の重心が0.6m以上の高さから落ちた場合にのみ頭蓋骨骨折が起きていたと報告されています(Hughes J, Arch DisChild, 2016/Hu, Evid Based Med, 2016)。
つまり、抱っこしている高さ(だいたい1m前後)からの転落は、骨折につながるリスクが十分にあるということです。

抱っこひもで起きてしまう事故
多くの方が使っている抱っこひもも、取り扱いを誤ると大きな事故につながります。
東京都の調査(平成21〜26年)では、抱っこひもからの乳幼児転落が117件、そのうち27件は頭蓋骨骨折を伴うなどで入院が必要な重症例でした。
特に多いのは、
・抱っこからおんぶへの持ち替えのとき
・前屈みになって物を拾ったとき
などです。
「確かに心当たりがあるかも…」と感じる親御さんも少なくないのではないでしょうか。


参考画像

ヘルメットで守れるのか?
「ヘルメット療法に使っているヘルメットをかぶっていれば安全なの?」と聞かれることもあります。
実際には、ヘルメット療法用の装具は“頭の形を整えるためのもの”であって、安全保護を目的としたものではありません。
他社製ヘルメットを装着していた赤ちゃんが抱っこひもから転落し、頭蓋骨骨折・急性硬膜外血腫で入院となったケースもありました(幸い大事には至りませんでした)。
赤ちゃんを守るのはヘルメットではなく、お父さんお母さんのちょっとした注意と確認なのです。

最後に
普段からどんなに気をつけていても、思わぬタイミングで事故が起きてしまうことがあります。
抱っこひもだけでなく、ベビーベッドやベビーカーなど、身の回りの育児用品の使い方を、ぜひ一度見直してみてください。
僕自身も二児の父として、子育てに悩むことがたくさんあります。
もし不安なことがあれば、ぜひ外来でご相談ください。ご来院をお待ちしています。

表参道神宮前 福山龍太郎